「無垢材は呼吸する」 「漆喰は湿気を吸ってくれる」
自然素材の家づくりで、よく耳にする言葉です。
しかし一方で、本当に効果はあるの? 気休めではないの?
という疑問を持つ方も少なくありません。
今回は、自然素材の調湿効果について、 感覚的な話ではなく科学的な視点から解説します。
調湿とは、
湿度が高いときに水分を吸収し
乾燥すると水分を放出する
という吸放湿(きゅうほうしつ)作用のことを指します。
これは単なるイメージではなく、 材料の物理的性質による現象です。
無垢材や漆喰、土壁などの自然素材には、
目に見えない無数の小さな穴(細孔)
が存在します。
この細孔に水蒸気が入り込み、
湿度が高い → 水分を取り込む
湿度が低い → 水分を放出する
という働きが起きます。
これはスポンジのように水を吸うのとは異なり、 水蒸気レベルでの微細な吸放出です。
木材には「平衡含水率」という性質があります。
これは、
周囲の湿度に応じて
自らの水分量を変化させる
というものです。
例えば、
湿度60%の環境では一定の水分量に落ち着き
湿度が上がれば水分を吸収
下がれば放出
します。
つまり木材は、 周囲の湿度とバランスを取ろうとする素材なのです。
ここが一番気になるポイントでしょう。
結論から言うと、
✔ エアコンのように急激に湿度を変える力はない ✔ しかし湿度変化を「緩やかにする効果」はある
というのが科学的な評価です。
実験では、 無垢材や漆喰を使用した室内は、 ビニールクロス仕上げの空間に比べて
湿度の上昇・下降が穏やかになる
傾向が確認されています。
答えは「NO」です。
梅雨時期のように湿度が極端に高い場合、 自然素材だけで快適湿度に保つことは難しいです。
あくまで
急激な変化を和らげる“緩衝材”の役割
と考えるのが正解です。
これも違います。
調湿効果は、
表面積
仕上げ方法(塗装の有無)
素材の厚み
によって大きく変わります。
例えば、
ウレタン塗装された床材
は、調湿効果がほとんど期待できません。
素材の力を活かすには、 呼吸を妨げない仕上げが重要です。
自然素材の調湿は、 エアコンの代わりになるものではありません。
しかし、
エアコンの過乾燥をやわらげる
冷房時のベタつきを軽減する
など、 設備を補助する役割を果たします。
つまり、
自然素材 × 高断熱高気密 × 計画換気 × 空調
このバランスが整ってこそ、 快適性は最大化されます。
自然素材の調湿効果は、
魔法のような除湿力ではない
しかし確かに存在する物理現象
です。
その価値は、
湿度変化を穏やかにする
結露リスクを下げる
体感温度を安定させる
過乾燥を防ぐ
といった「暮らしの質」に現れます。
自然素材は本当に調湿します。
ただしそれは、
劇的に湿度を下げる力
ではなく、
湿度を安定させる力です。
家づくりで大切なのは、
素材の特性を正しく理解し
設備と対立させず
バランスよく組み合わせること
です。
自然素材は“気休め”ではありません。
科学的な性質を理解し活かすことで、 機械だけに頼らない、 穏やかで健康的な住環境をつくることができるのです。
鹿児島で自然素材を使って創る本物の健康住宅新築だけでなくリフォーム、リノベーションもご相談ください。株式会社 Sin工房 |
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